「議会報告」 令和4年2月定例県議会 一般質問(質疑応答)
千葉県議会議員 三沢さとし
令和4年2月県議会の一般質問に登壇し、館山市を中心とした安房地域が直面する様々な課題を取り上げ、
考えをただしました。質問と答弁及び要望について概要を掲載いたします。
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就農者の確保・育成を |
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次の食育計画の周知を望む |
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不登校児童生徒 取組の拡充要望 |
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海岸漂着物 安房で65トン処理 |
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年間を通じ工事の平準化を |
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まず通学路の安全対策 着実な幹線道の4車線化 |
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ワーケーションの促進 |
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館山警察署 新年度内に新庁舎完成 |
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まず現場で課題確認 |
農業の”危機“をただす
1■就農者の確保・育成を
◇新規就農者の確保・定着
Q:三沢さとし
令和2年の千葉県の総農家数は約5万1千戸で、前回調査の平成27年から5年間で1万
2千戸が減少した。特に、安房地域の従事者は5年間で1,300人余り減少している。一方、
千葉県の新規就農者は年間300~400人程度で推移している。
そこで伺うが農業への新規参入者の確保・定着に向けて、県としてどのように取り組んで行くのか。
A:農林水産部長
県では、専門スタッフによる就農相談や農業法人への就職斡旋、県立農業大学校での技術習得の
支援に加え、就農前後の資金交付や地域の農家との意見交換会の開催などを実施しております。
今後は、地域の特性を踏まえながら就農準備から定着までを一貫して支援する体制を構築して積極
的に支援してまいります。
◇新規就農者のサポート構築
Q:三沢さとし
地域における新規就農者のサポート体制を構築するため、どのような働きかけをしていくのか。
A:農林水産部長
県内には、連携して新規就農者の取り込みを図っている産地があり、このような取り組みを県内に
広げて行くため、先進事例を紹介し、経営モデルや研修カリキュラムの作成などを支援してまいります。
要望(三沢さとし)
新規就農者の確保にあたっては、市町村の移住・定住促進策と連携するとともに、地元JAなどと協力して
県がリーダーシップを発揮し、茨城県に負けないよう取り組んでいただくことを要望する。
2■次の食育計画の周知を望む
◇次の食育推進計画の取組
Q:三沢さとし
県は来年度から5年間を計画期間とする第4次千葉県食育推進計画の策定を進めているが、
どのように取り組んでいくのか。
A:知事
第4次計画には、SDGsへの感心の高まりなど環境変化に対応した新たな視点を取り入れています。
これを踏まえ、ライフステージに対応した施策の展開、職のつながりを意識した体験活動の促進、市町村等
との連携強化に引き続き取り組むとともに、食品ロスの削減や環境に配慮した農産物の理解促進など、
環境を意識した食育に取り組んでまいります。
さらに、情報発信や、研修会の開催などにより、時間や場所を意識せずに情報が得られるように工夫しながら、
食育に取り組みます。
要望(三沢さとし)
計画に掲げた理念や取り組みを、より多くに県民に知ってもらい、実行してもらうため、関係者と連携していくよう
要望する。
◇食育の取組を拡大
Q:三沢さとし
計画を進めて行くためには、行政機関のみならず食育ボランティアや民間の活動が欠かせない。
県は、食育の取り組みをどのように広げて行くのか。
A:農林水産部長
「ちば食育ボランティア」や「ちば食育サポート企業」、農業体験の受け入れ、学校での出前授業の開催、
県産食材を使ったレシピの紹介、教育現場やシニア団体へのプログラムの紹介など、様々な活動を展開
してまいります。
3■不登校児童生徒 取組の拡充要望
◇不登校への取組状況
Q:三沢さとし
近年、全国的に不登校児童生徒数は増加しており、本県においても同様の傾向であるという。
不登校児童生徒への県の取組状況はどうか。
A:教育長
不登校については、その要因・背景が多様・複雑であることから、スクールカウンセラー等の配置の
拡充に努め、活用の促進を図っているところです。
また、支援チームを学校に派遣し、市町村や民間支援団体等と連携を図りながら、きめ細かな支援
がなされるよう取り組んでいます。
◇県立高校への受け入れ
Q:三沢さとし
不登校児童生徒が中学校卒業後も学び続けられるよう、県立高校でも受け入れて、生徒にあった
学習環境を提供すべきと思うがどうか。
A:教育長
県教育委員会では、通信制の千葉大宮高校において、生徒の生活リズムや学習スタイルに合った
学びを提供しています。また、館山総合高校を通信制協力校に指定し、対面授業とオンライン授業を
併用したスクーリングや定期試験を実施しています。「次期県立高校改革推進プラン」では通信制協力校
の更なる拡充を推進することとしており、今後も学習環境の提供に努めます。
要望(三沢さとし)
引き続き、こうした取組の拡充を図り、生徒にあった学習環境の提供に務めていただくよう要望する。
4 ■海岸漂着物 安房で65トン処理
◇河川のパトロール状況
Q:三沢さとし
安房地域の河川における竹木の撤去やパトロールの実施状況はどうか。
A:県土整備部長
県では、竹木や堆積した流竹木を撤去しており、今年度、安房地域では三原川など21河川24箇所
で実施しています。また、出水期前の巡視や出水後のパトロール時には、河川に隣接する民有地側の
竹木状況も確認しています。
◇海岸漂着物の処理状況
Q:三沢さとし
今年度の海岸漂着物の処理状況はどうか。
A:環境生活部長
今年度は、これまでに館山市と鴨川市において約65トンの漂着物を処理。他に年度末までに南房総市、
木更津市等の4市での処理を予定し、さらに山武市、大網白里市等の4市町が補助金を活用して処理を
行う予定です。
◇活動しやすい環境整備
Q:三沢さとし
海岸漂着物の処理において、県民が活動しやすい環境を整えることが必要と思うがどうか。
A:環境生活部長
県では美化清掃等のボランティア活動支援プログラムに基づき、清掃道具の貸し出しや保険加入の費用負担等
を行い、また今年度から安房地域において、県が管理する海岸収集ごみの受入れ窓口の一元化を図ったところです。
要望(三沢さとし)
館山市では、海岸等の清掃活動を行っている「たてやまビーチグリーン ボランティアネットワーク」が令和
3年4月以降、70回を超える活動を実施しており、今後、円滑に活動に取り組めるよう環境の整備を
進めていただきたい。また、市町においても効果的に回収・処理を実施するためには、十分な財源確保
が必要であり、補助金の確保について国に働きかけるよう要望する。
5■年間を通じ工事の平準化を
◇県土整備部の取り組み
Q:三沢さとし
公共事業は、予算の単年度主義に基づき、年度ごとの事業執行となることが多いため、工事の閑散期と繁忙期
の差が大きい。工事発注の多い県土整備部における施行時期の平準化に向けた取り組みはどうか。
A:県土整備部長
県土整備部では、出先機関と「公共事業進行管理調整会議」を設置し「四半期ごとの契約目標に基づき、
執行状況の管理を行うとともに、ゼロ債や2カ年債務の活用、繰り越し設定などにより、平準化の推進に取り
組んでいます。
◇市町村への働きかけ
Q:三沢さとし
県は、施行時期の平準化について、市町村にどう働きかけているのか。
A:県土整備部長
県では、市町村等と組織する千葉県発注者協議会において、県の取組を紹介し、平準化を推進しております。
更に、各市の取組状況や課題を把握して助言を行い、債務負担行為等の活用を促しています。
これらにより、市町村の取組は年々進んでおり、引き続き様々な機会を活用し、働きかけてまいります。
要望(三沢さとし)
県においては、平準化推進のため、更なる、かつ思い切った取組を実施するとともに、市町村に対しても平準化
推進の働きかけを強力に行い、総予算の半分程度を目標に執行できるよう要望する。
6■まず通学路の安全対策 着実な幹線道の4車線化
◇通学路の安全対策
Q:三沢さとし
小学校の通学路の緊急一斉点検を受け、館山市内の安全対策について、道路管理者として県はどの
ように取り組んでいるのか。
A:県土整備部長
館山市内では、県道館山富浦線など38箇所において、路面のカラー舗装などの対策を実施することにしており、
今年度内に完了を見込んでいます。引き続き、通学路の安全対策にしっかりと取り組んでまいります。
要望(三沢さとし)
地元とも連携して、残る箇所についても早急に対応を進めるよう要望する。
◇富津館山道路の4車線化
Q:三沢さとし
館山自動車道は令和2年3月までに全線4車線化されたが、接続する富津館山道路は、未だ
暫定2車線となっており、早期の4車線化が強く望まれる。富津館山道路の都市計画と環境アセス
メントの手続の状況はどうか。
A:都市整備部長
全線4車線化に向けた都市計画と環境アセスメントの手続きに着手し、最初の段階となる都市計画の「評価書」と
境アセスメントの「配慮書」の手続きを完了しました。
本年1月から2月かけては、次の段階となる環境影響評価の「方法書」を縦覧し、住民説明会を沿線4市町
で開催したところです。今後は「方法書」の手続きを完了させ、環境調査等を行うとともに、都市計画の原案説明
会を開催するなど、引き続き、着実に手続きを進めてまいります。
◇館富トンネルの進捗状況
Q:三沢さとし
国道127号バイパスは、館山市北条から南房総市富浦町多々良までの7.6kmのバイパスで、富津
山道路へのアクセス道路となっている。このうち、館山市北条から富浦インターチェンジまでの区間は
順次、4車線化されてきたが、館富トンネルと、その前後の区間1kmは未だ暫定2車線になっている。
国道127号を管理する国は、令和2年度に全体事業費約30億円で4車線化に着手したとのことだが、
その進捗状況はどうか。
A:県土整備部長
国は、暫定2車線となっている館富トンネルを含む川名・富浦地区について、令和2年度に4車線化
に着手しました。現在、館富トンネルの東側に新たに整備するトンネルの詳細設計を進め、トンネル前後
の用地確保区間において、今後、切土やのり面工事などを実施していく予定です。県としては、早期4車線化
について国に働きかけてまいります。
要望(三沢さとし)
富津館山道路については早期の手続きと着工を、国道127号の館山バイパス館富トンネルについては
早期の供用開始に向けて着実に工事を進めるよう国に強く要望されたい。
仕事と休暇を組み合わせた「ワーケーション」は、働き方の多様化だけでなく、観光産業にも大きな期待が
寄せられている。県では、ワーケーションの受け入れを更に促進するため、どう取り組んで行くのか。
7■ワーケーションの促進
◇ワーケーションへの取組
Q:三沢さとし
仕事と休暇を組み合わせた「ワーケーション」は、働き方の多様化だけでなく、観光産業にも大きな期待が
寄せられている。県では、ワーケーションの受け入れを更に促進するため、どう取り組んで行くのか。
A:知事
本県はワーケーションの場として優位性が高いことから、WiFi環境の整備やワークスペースの改修など、受入れ
環境を整備する取組に対し支援を行っております。また、環境整備が進んでいない市町村や事業者を中心に、
ニーズ調査等を踏まえた研修会を開催し、積極的な受入れ環境づくりを促してまいります。さらに来年度は、
地域への支援予算を拡充するとともに受入れ地域のマッチング、誘致のための情報発信を行うことにより、
取組み地域の拡大に努めてまいります。
要望(三沢さとし)
宿泊・滞在施設や交通利便性、通信環境の充実、魅力ある観光スポットの発掘、県外へのPRの強化など、
様々な取組が必要なので引き続き、県の積極的な取組・支援を要望する。
8■館山警察署 新年度内に新庁舎完成
◇館山警察署の建設状況
Q:三沢さとし
現在の庁舎は老朽化が進み、利用者の利便性低下などから、旧県立安房南高校の跡地に新庁舎の
建築工事が行われている。館山警察署新庁舎建設工事の進捗状況はどうか。
A:警察本部長
本工事につきましては、令和4年度内の完成に向けて、工程どおり順調に進んでおり、1月末現在
概ね50%の進捗状況となっております。
◇新庁舎の広報
Q:三沢さとし
館山警察署の新庁舎への移転及び業務開始時期について、市民にどのように広報していくのか。
A:警察本部長
新庁舎への移転や業務開始時期の日程が確定次第、速やかに県警ホームページへの掲載、署の
口における周知や、交番・駐在所が作成する「ミニ広報紙」を活用した地元自治会への周知、
地元新聞や広報紙への掲載依頼などを行いたいと考えています。
◇駐在所の老朽化対策
Q:三沢さとし
館山警察署管内の老朽化した駐在所の整備状況はどうか。
A:警察本部長
館山警察署管内には25カ所の駐在所がありますが、令和2年度には3カ所のリフォームと1カ所
の建て替えを行いました。本年度は築後34年が経過した那古駐在所の建替工事を行っており
年度内に完了する予定です。引き続き、老朽化の状況を踏まえ駐在所の整備について検討して
まいります。
要望(三沢さとし)
令和4年度内の新庁舎完成に向けて着実に工事を進めていただくとともに、市民への周知を、しっかり
と行うよう要望する。また、駐在所の改修についても計画的かつ着実に行うよう要望する。
9■まず現場で課題確認を
三沢さとし
今回、館山市・安房地域を中心とする様々な課題を取り上げました。課題の解決には現場の状況を
よく知っていただくことが必要である。更にコロナ禍において様々な業界が大変苦労しています。
県幹部の皆さんは、それぞれの地域で抱える課題の現場に足を運び、実際に見た上で、解決に向けた
取組を進めていただきたい。
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